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【精神障害】内因性、外因性、心因性

精神障害 障害

精神障害といえば統合失調症と双極性障害が思い浮かびますが、その他にも、高次脳機能障害は発達障害も精神障害に含まれます。見ていきましょう。

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精神障害3つの分類

精神障害は、原因別に以下の3種類に分類されます。

・内因性
・外因性
・心因性

内因性精神障害

例:統合失調症、躁うつ病など
原因:不明

統合失調症の症状は「陽性症状」と「陰性症状」に分けることができます。

陽性症状は健康なときにはなかった状態が表れるもの、陰性症状は健康なときにあったものが失われるものです。

陽性症状:幻覚、妄想(幻覚の中でも幻聴が多い)
陰性症状:意欲の低下、感情鈍麻等

陽性症状(幻覚、妄想、精神運動興奮、昏迷など)と陰性症状(抑うつ、無気力、ひきこもり、倦怠感、感情の平板化)があります。陽性症状としては、考えがまとまらない滅裂思考、思考の進行が急に停止する思考途絶、体に実際に感じる体感幻覚、自分の意思に反して誰かに考えや体を支配され操られていると感じる作為体験、考えていることが声となって聞こえてくる考想化声、自分の考えが他者に筒抜けになっていると感じる考想伝播、自分の考えが抜き取られて消えたように感じる考想奪取、などがあります。

統合失調症の妄想の特徴は、その原因が特定できない一次妄想です。一次妄想には、何か大きな事件が起こりそうな予感を持つ妄想気分、突然あるアイデアが思いつきそのまま確信される妄想着想、突然ある知覚に対して特別な意味づけがなされ、そのまま確信される妄想知覚があります。

一次妄想:統合失調症に見られる「妄想気分」「妄想着想」「妄想知覚」のような原因が特定できない妄想
二次妄想:うつ病に見られる「心気妄想」「貧困妄想」「罪業妄想」のような原因が特定できる妄想

外因性精神障害

例:高次脳機能障害の一部、アルコール依存症など、
原因:脳器質性疾患、外的要因

高次脳機能障害は、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)や、事故などによる脳外傷、心肺停止による低酸素脳症などで脳がダメージを受けたことにより、注意力・記憶力・言語・感情のコントロール等がうまく働かなくなる認知機能の障害です。

具体的な症状としては以下のようなものが挙げられます。

<高次脳機能障害の症状>
・記憶障害
・注意障害
・遂行機能障害
・失行
・失認
・失語
・半側空間無視

遂行機能障害は、行動を計画して実行することが困難になる障害です。

半側空間無視は、損傷した脳の半球と反対側の空間(特に左空間)にある物体やできごとに注意を向けられなくなったり、認識ができなくなったりする現象です。

カリスマくん
カリスマくん

高次脳機能障害は後天的な障害だね。運動機能に問題がないのに一連の動作をうまく行えなくなる失行、視覚や聴覚などの感覚機能に異常がないのに外界の事物や状況を認識することが困難になる失認、戸惑うよね。

心因性精神障害

例:神経症、PTSDなど
原因:ストレスなどで心にダメージ

心的外傷後ストレス障害(PTSD:Post Traumatic Stress Disorder)は、災害、戦争、虐待、犯罪などで極度に大きなストレスにさらされた後に発症します。

カリスマくん
カリスマくん

戦争から帰国した元兵士がPTSDを発症するという例はよく聞くよね。

症状としては、強い恐怖感や無力感を感じたり悪夢を見たり、原因となった出来事を思い出させるきっかけがあると、そのときの記憶が「フラッシュバック」することもあります。

症状が1か月以上続くものをPTSD、1か月以内に治まるものを急性ストレス障害と呼んでいます。

過去問

第32回 問題90 

内因性精神障害に分類される疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1 脳腫瘍(brain tumor)
2 アルコール依存症(alcohol dependence)
3 パニック障害(panic disorder)
4 認知症(dementia)
5 統合失調症(schizophrenia)

1 脳腫瘍(brain tumor)
脳腫瘍が原因となって発症した精神疾患は、外因性です。

2 アルコール依存症(alcohol dependence)
アルコール依存症は外因性です。

3 パニック障害(panic disorder)
パニック障害は心因性と考えられてきましたが、諸説あります。

4 認知症(dementia)
認知症は外因性です。

5 統合失調症(schizophrenia)
統合失調症は内因性なのでこれが正解です。

第31回 問題90 

統合失調症の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 妄想
2 躁うつ
3 強迫観念
4 振戦せん妄
5 見捨てられ不安

1 妄想
これが正解です。
統合失調症では、幻覚や妄想が見られます。

2 躁うつ
これは、双極性障害の人に見られます。

3 強迫観念
これは、強迫性障害の人に見られます。

4 振戦せん妄
これは、アルコール依存症の人の離脱症状(禁断症状)として見られます。

5 見捨てられ不安
これは、境界性パーソナリティ障害の人に見られます。

第34回 問題88

半側空間無視に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食事のとき、認識できない片側に食べ残しがみられる。
2 半盲に対するものと介護方法は同じである。
3 失行の1つである。
4 本人は半側空間無視に気づいている。
5 認識できない片側へ向かってまっすぐに歩ける。

1 食事のとき、認識できない片側に食べ残しがみられる。
これが正解です。認知できていない側の空間にある食べ物を認識できないため、食べ残しが見られます。

2 半盲に対するものと介護方法は同じである。
誤りです。視野の半分が見えない半盲と半側空間無視では介護方法は異なります。

3 失行の1つである。
誤りです。同じ高次脳機能障害の症状として失行と半側空間無視がありますが、別物です。

4 本人は半側空間無視に気づいている。
誤りです。半盲では本人の自覚がありますが、半側空間無視は本人の自覚がないことが多いです。

5 認識できない片側へ向かってまっすぐに歩ける。
誤りです。認識できていない側は空間を認知できていないので、その方向へまっすぐ歩けません。

第36回 問題52

統合失調症(schizophrenia)の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  振戦せん妄
2  妄想
3  強迫性障害
4  抑うつ気分
5  健忘

1  振戦せん妄
誤りです。これはアルコール依存症の離脱症状です。

2  妄想
これが正解、統合失調症の陽性症状です。

3  強迫性障害
誤りです。

4  抑うつ気分
誤りです。これはうつ病などで見られます。

5  健忘
誤りです。

第37回 問題52

次の記述のうち、遂行機能障害の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  些細なことですぐに興奮して怒鳴る。
2  新しい知識を覚えることが困難である。
3  ぼんやりして周囲に注意を向け続けることが困難である。
4  行動を計画して実行することが困難である。
5  言葉の表出や理解が困難である。

選択肢4が正解です。

第33回 問題97 

心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder:PTSD)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 原因となった体験が繰り返し思い起こされる。
2 1か月以内で症状は治まる。
3 小さな出来事が原因となる。
4 被害妄想を生じる。
5 気分が高ぶる。

選択肢1が正解です。
フラッシュバックです。

次の記事

次は、発達障害について。

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