ユニバーサルデザインとは
ユニバーサルデザインとは、1980年代アメリカ発祥の、デザインのバリアフリー化のようなものです。
製品や設備、環境などを、高齢者も障害者も子供も大人も、だれもが使いやすい仕様・デザインにするということです。
ただしバリアフリーのように、もともとあった障壁を取り除くという発想ではなく、誰もが使えるデザインにという発想です。
例えば、音声認識するスマホは、指が不自由な人にも、文字入力ができない人にも、機械音痴の人にも、多くの人が会話形式でスマホを使えるという点で、ユニバーサルデザインです。
ユニバーサルデザインの7原則
ユニバーサルデザインには7つの原則があります。
・自由度
・単純性
・明確さ
・安全性
・体への負担の少なさ
・空間性
公平性
公平性とは、身体的・心理的に使う人を選ばず、高齢者も障害者も、子供も大人も、誰もが公平に使えることです。
自由度
自由度とは、使う人の能力等に合わせて使い方を選べることです。
多機能トイレというのがありますが、これは車いすの人、オストメイト、乳児を抱いた母親、妊婦さんなど、単に用を足すだけでなく様々な用途で使えるよう複数の機能がついています。
単純性
単純性とは、「使い方が簡単で直観的にわかること」です。
デザインによるバリアフリーですから、使い方がわかりやすくないといけません。
明確さ
明確さとは、「使う人にとって、その情報が理解しやすいこと」です。
先ほどの多機能トイレの例では、一目見て多機能トイレであることがわかります。
安全性
ユニバーサルデザインが用いられている家電製品は、いくら使いやすくても安全性が確保されていなければ使い物になりません。
洗濯機や乾燥機は、使用中に開けると停止するインターロック機能が付いています。
体への負担の少なさ
ドアノブではなくレバーハンドルにすれば、手首への負担が少なく関節リウマチの人にも優しいです。
水道の蛇口もレバー式にすれば同じく体への負担は少ないです。
空間性
空間性とは「十分な大きさや広さが確保されていること」です。
多機能トイレでは車いすも入れるほどの空間が確保されています。
過去問
第32回 問題37
ユニバーサルデザインの7原則に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 高齢者が優先的に使用できる。
2 使い方を統一する。
3 情報伝達の手段は一つにする。
4 使用するためには訓練が必要である。
5 誰にでも使える大きさと広さが確保されている。
選択肢5が正解です。
7原則のうちの「空間性」です。
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次は、役割理論について。
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