スキャモンの発達・発育曲線を見れば、分野ごとに成長する時期があることがわかり、その年齢に適切な運動や教育はなにか、知るヒントになります。
発育曲線
人間の成長は、年齢によって身体、臓器、神経系、免疫系などの成長スピードが異なります。スキャモン(Scammon, R.)の発育曲線では、それらの成長を20歳でのレベルを100%として、4つのパターン(一般型、神経型、生殖型、リンパ型)に分けて特徴をグラフ化しています。

一般型
一般型は、身長や体重、筋肉、骨格などの成長を表しています。一般型では、出生直後と思春期に急激に発達するため、S字カーブを描きます。
神経型
神経型は、脳や脊髄、視覚器などの神経系や感覚器系の成長を表します。神経型は、出生直後から急速に発達し、徐々に成長速度が緩やかになっていきます。
生殖型
生殖型は、男性や女性の生殖器、乳房、咽頭などの成長を表します。これらは第二次性徴に関わる臓器で、思春期に急速に発達していきます。
リンパ型
リンパ型は、胸腺などのリンパ組織(免疫系)の成長を表します。幼少期は免疫力が弱く、年齢を重ねると免疫力は高まっていき、思春期には大人の2倍近い値になります。
過去問
第36回 問題31
- スキャモン(Scammon, R.E.)の発達曲線に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 1 神経系の組織は、4歳ごろから急速に発達する。
- 2 筋骨格系の組織は、4歳ごろから急速に発達する。
3 生殖器系の組織は、12歳ごろから急速に発達する。
4 循環器系の組織は、20歳ごろから急速に発達する。
5 リンパ系の組織は、20歳ごろから急速に発達する。
1 神経系の組織は、4歳ごろから急速に発達する。
誤りです。神経系の組織は4歳ごろまでに急速に発達します。
2 筋骨格系の組織は、4歳ごろから急速に発達する。
誤りです。筋骨格系の組織は、乳幼児期に急速に発達し、その後緩やかになり、思春期に再び急速に発達します。
3 生殖器系の組織は、12歳ごろから急速に発達する。
これが正解です。
4 循環器系の組織は、20歳ごろから急速に発達する。
誤りです。循環器系の組織は、筋骨格系を同じ発達曲線を描きます。
5 リンパ系の組織は、20歳ごろから急速に発達する。
誤りです。リンパ系の組織は、12歳ごろまでに急速に発達します。
社会福祉士 第36回 問題1
成熟時の発達を100%としたスキャモン(Scammon, R.)の臓器別発育曲線に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。1 25歳を100%として表している図である。2 身長など一般型はS字型カーブを示す。3 リンパ型は12歳頃に約90%となる。4 神経型は12歳頃に最も発達する。5 生殖型は12歳頃に70%となる。
1 25歳を100%として表している図である。
誤りです。20歳を100%としています。
2 身長など一般型はS字型カーブを示す。
正しいです。身長などの一般型は幼児期と思春期に大きく成長するため、S字型カーブを示します。
3 リンパ型は12歳頃に約90%となる。
誤りです。リンパ型は12歳頃には200%近くに達し、その後は減少していきます。
4 神経型は12歳頃に最も発達する。
誤りです。神経型は出生直後から急速に発達し、徐々に緩やかになっていきます。
5 生殖型は12歳頃に70%となる。
誤りです。生殖型は12歳頃では50%にも達していません。その後急激に成長します。
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次は、健康にとって重要なストレスへの対処法について。
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