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【医療的ケア】経管栄養、喀痰吸引

医療的ケア 介護

医行為は基本的に介護福祉職にはできませんが、条件が整えば実施できる医行為があります。それが経管栄養と喀痰吸引です。

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経管栄養

経管栄養は、自分の口から食事を取れなくなった人に対し、鼻や胃、腸から栄養剤を注入する方法です。鼻からチューブを挿入して栄養剤を注入する経鼻経管栄養、腹部の表面に穴を開けチューブを通して栄養剤を注入する胃ろう、腸に栄養剤を注入する腸ろう、があります。

経管栄養における注意点を以下に挙げます。

・注入量の指示は医師が行う
・注入する栄養剤は支持通りの温度にしないと下痢をおこす可能性あり
・栄養剤の液面は、胃から50cm程度高くする(口から胃までの長さが約50cmくらいなので、同じ高さにしておくと胃に流れ込む速さが適切に)
・経鼻経管栄養では咽喉を通るため経口摂取は併用できない
・カテーテルチップシリンジ(以下)
カテーテルチップシリンジは、カテーテルと繋げて薬液などを注入するものです。
カリスマくん
カリスマくん

経管栄養で口から食べなくなると唾液の分泌量が減るので、雑菌が繁殖しないように口腔ケアは必要だよ。

胃ろう

胃ろうは胃に直接カテーテルをつないで食事摂取する方法です。

経管栄養の中でも、経鼻経管栄養では咽喉を通るため経口摂取は併用できませんが、胃ろうは経口摂取を併用できます。

つまり胃ろうをしていても、口から食べることもできるのです。

腸ろう

胃の切除や形状が適さない、またはがんなどの進行などで胃ろうを作れない方は腸ろうになります。胃ろうも腸ろうも経管栄養が長期間にわたる方が対象です。

栄養剤について

栄養剤は液状タイプと半固形タイプがあり、胃ろうや腸ろうでは半固形タイプの栄養剤を用いることができます。半固形タイプの栄養剤は食道への逆流を改善することが期待でき、液状タイプの栄養剤より注入時間は短くなります。半固形タイプの栄養剤は粘稠度が高いため、胃内の滞留時間を長くし吸収が緩やかになるので短時間で注入できます。

経鼻経管栄養のチューブは長いので半固形タイプの栄養剤は用いることができません。

栄養剤を注入したあとはチューブ内の栄養剤を洗い流すために、白湯を経管栄養チューブに注入します。これによって注入口のつまりとチューブの閉塞を防ぎます。

カリスマくん
カリスマくん

白湯は沸騰させた水を、飲める温度まで覚ましたお湯だね。朝一杯の白湯はおすすめ~(≧▽≦)

喀痰吸引

喀痰吸引とは、吸引装置を用いて口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部などに溜まった痰を吸い出す医療行為です。自力で痰を排出できない方に対して、窒息や誤嚥などを防ぐために行われます。

気管切開後に挿入された気管カニューレに溜まった喀痰を吸引するには、吸引装置とカテーテルを使って体外に排出します。

喀痰吸引は苦痛を伴うため、実施中は利用者の呼吸状態を観察しておかなければなりません。気管カニューレからの吸引では、気道内に痰が溜まったり、吸引中に呼吸ができないことで低酸素状態になる危険性があり注意が必要です。指示された吸引時間よりも長くなった場合は、低酸素状態になっていないか「動脈血酸素飽和度」を確認する必要があります。

介護職による実施

社会福祉士及び介護福祉士法には、「喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(喀痰吸引等)」に関する規定がありますが、具体的には以下の2種類です。

・たんの吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
・経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)
カリスマくん
カリスマくん

カニューレとは、管のこと。
カテーテルも、管のこと。
同じだよ。

喀痰吸引と経管栄養は医行為であり、医行為は基本的に介護福祉士を含む介護職では実施できませんが、一定の条件をクリアした介護福祉士や介護職員などが喀痰吸引と経管栄養を行なうことが認められています。

・介護福祉士が医師の指示の下で行う喀痰吸引は「咽頭の手前まで」
・介護福祉士が医師の指示の下で行う経管栄養は「栄養剤の注入」
・介護福祉士、実務者研修修了者が喀痰吸引を行うためには、実地研修を修了する必要あり
・その他の介護職員が喀痰吸引を行うためには、基本研修&実地研修を修了する必要あり
・介護福祉士が喀痰吸引等を実施する場合は、事業所ごとにその所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けなければならない。
カリスマくん
カリスマくん

経管栄養の栄養剤の種類や注入速度を決めたり、胃ろうカテーテルの交換は医師しかできないので注意。介護福祉士ができるのは医師から指示された通りに「栄養剤を注入」することだけだよ。

喀痰吸引等を実施する事業所が登録を受けるための要件は以下の通りです。

<医療関係者との連携に関する基準>
・医師の文書による指示、医療関係者との連携確保と役割分担
・喀痰吸引等計画書および喀痰吸引等実施状況報告書の作成
<喀痰吸引等を安全・適正に実施するための基準>
・安全委員会の設置、安全確保のための体制の確保

膀胱留置カテーテル

膀胱留置カテーテルは、尿を持続的に排出させるものです。

膀胱留置カテーテルを使用している利用者を介護するときの注意点は以下です。

・排尿バッグは膀胱より下に置く
・カテーテルの抜去は医療職のみ可能
・尿量の確認や記録は介護福祉職が可能

過去問

第32回 問題51 

膀胱留置カテーテルを使用している利用者への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 水分摂取を控えてもらう。
2 カテーテルが折れていないことを確認する。
3 採尿バッグは膀胱と同じ高さに置く。
4 尿漏れが見られたらカテーテルを抜去する。
5 尿量の確認は看護師に依頼する。

1 水分摂取を控えてもらう。
水分摂取を控えるのはダメです。

2 カテーテルが折れていないことを確認する。
これが正解です。

3 採尿バッグは膀胱と同じ高さに置く。
排尿バッグは膀胱より下に置かなければなりません。

4 尿漏れが見られたらカテーテルを抜去する。
カテーテルを抜去できるのは医療職のみです。

5 尿量の確認は看護師に依頼する。
尿量の確認は看護師でなくても介護福祉職でも可です。

第33回 問題109 

介護福祉職が経管栄養を実施するときに、注入量を指示する者として、適切なものを1つ選びなさい。
1 医師
2 看護師
3 訪問看護事業所の管理者
4 訪問介護事業所の管理者
5 介護支援専門員(ケアマネジャー)

選択肢1が正解です。

第33回 問題113 

経管栄養の実施に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 経管栄養の準備は、石鹸と流水で丁寧に手を洗ってから行う。
2 栄養剤は、消費期限の新しいものから使用する。
3 胃ろうや腸ろう周囲の皮膚は、注入開始前にアルコール消毒を行う。
4 カテーテルチップシリンジは、1回使用したら廃棄する。
5 口腔ケアは、数日に1回行う。

選択肢1が正解です。

第32回 問題113 

経管栄養の実施時に、冷蔵庫に保管していた栄養剤を指示どおりの温度にせずにそのまま注入したときに起こる状態として、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。
1 呼吸困難
2 胃ろう周囲のびらん
3 下痢
4 褥瘡
5 低血糖

選択肢3が正解です。

第31回 問題113 

イルリガートル(注入ボトル)を用いた経鼻経管栄養に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 栄養剤は、半固形化栄養剤を用いる。
2 嘔気があるときは、注入速度を遅くして滴下する。
3 イルリガートルに栄養剤を入れてから、2時間後に滴下する。
4 栄養剤の液面は、胃から50cm程度高くする。
5 使用した物品は、消毒用エタノールにつけて消毒をする。

選択肢4が正解です。

第33回 問題111 

介護福祉職が実施する喀痰吸引で、口腔内と気管カニューレ内部の吸引に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 気管カニューレ内部の吸引では、カニューレの内径の3分の2程度の太さの吸引チューブを使用する。
2 気管カニューレ内部の吸引では、滅菌された洗浄水を使用する。
3 気管カニューレ内部の吸引では、頸部を前屈した姿勢にして行う。
4 吸引時間は、口腔内より気管カニューレ内部のほうを長くする。
5 吸引圧は、口腔内より気管カニューレ内部のほうを高くする。

選択肢2が正解です。

第32回 問題109 

介護福祉士が医師の指示の下で行う喀痰吸引の範囲として、正しいものを1つ選びなさい。
1 咽頭の手前まで
2 咽頭まで
3 喉頭まで
4 気管の手前まで
5 気管分岐部まで

選択肢1が正解です。

第32回 問題110 

2011年(平成23年)の社会福祉士及び介護福祉士法の改正に基づいて、介護福祉士による実施が可能になった喀痰吸引等の制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 喀痰吸引や経管栄養は、医行為から除外された。
2 喀痰吸引等を行うためには、実地研修を修了する必要がある。
3 介護福祉士は、病院で喀痰吸引を実施できる。
4 介護福祉士は、この制度の基本研修の講師ができる。
5 実施できる行為の一つとして、インスリン注射がある。

選択肢2が正解です。

第32回 問題111 

Kさん(76歳)は、日頃から痰がからむことがあり、介護福祉士が喀痰吸引を行っている。
鼻腔内吸引を実施したところ、吸引物に血液が少量混じっていた。
Kさんは、「痰は取り切れたようだ」と言っており、呼吸は落ち着いている。
このときの介護福祉士の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 出血していそうなところに吸引チューブをとどめる。
2 吸引圧を弱くして再度吸引をする。
3 血液の混じりがなくなるまで繰り返し吸引をする。
4 鼻腔と口腔の中を観察する。
5 鼻腔内を消毒する。

選択肢4が正解です。

第32回 問題112 

口腔内・鼻腔内の喀痰吸引に必要な物品の管理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 吸引チューブの保管方法のうち、乾燥法では、浸漬法に比べて短時間で細菌が死滅する。
2 浸漬法で用いる消毒液は、72時間を目安に交換する。
3 吸引チューブの洗浄には、アルコール消毒液を用いる。
4 吸引チューブの洗浄水は、24時間を目安に交換する。
5 吸引物は、吸引びんの70~80%になる前に廃棄する。

選択肢5が正解です。

第31回 問題111 

気管切開をして人工呼吸器を使用している人の喀痰吸引に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 気管カニューレを抜いて、吸引を行う。
2 頸部を前屈した姿勢にして、吸引を行う。
3 1回の吸引時間は、20~30秒とする。
4 吸引チューブの挿入の深さは、気管分岐部の手前までである。
5 吸引を終了した後は、人工呼吸器の作動状況を確認する。

選択肢5が正解です。
人工呼吸器は命にかかわる機器ですから、とにかく動作確認が重要です。

第35回 問題61

喀痰吸引を行う前の準備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  医師の指示書の確認は、初回に一度行う。
2  利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。
3  腹臥位の姿勢にする。
4  同室の利用者から見える状態にする。
5  利用者に手指消毒をしてもらう。

1  医師の指示書の確認は、初回に一度行う。
誤りです。医師の指示書の確認は、喀痰吸引を実施するたびに行わなければなりません。

2  利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。
正しいです。

3  腹臥位の姿勢にする。
誤りです。腹臥位はうつぶせ状態なので喀痰吸引時には適切ではありません。

4  同室の利用者から見える状態にする。
誤りです。プライバシー保護のために他者から見えないようにカーテン等をする必要があります。

5  利用者に手指消毒をしてもらう。
誤りです。手指消毒をするのは喀痰吸引を行う実施者です。

第33回 問題112 

Hさん(80歳、男性)は嚥下機能の低下があり、胃ろうを1か月前に造設して、自宅に退院した。現在、胃ろう周囲の皮膚のトラブルはなく、1日3回の経管栄養は妻と介護福祉職が分担して行っている。経管栄養を始めてから下肢の筋力が低下して、妻の介助を受けながらトイレへは歩いて行っている。最近、「便が硬くて出にくい」との訴えがある。
Hさんに対して介護福祉職が行う日常生活支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 入浴時は、胃ろう部を湯につけないように注意する。
2 排泄時は、胃ろう部を圧迫するように促す。
3 排便は、ベッド上で行うように勧める。
4 経管栄養を行っていないときの歩行運動を勧める。
5 栄養剤の注入量を増やすように促す。

選択肢4が正解です。

第31回 問題101 

胃ろうに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ろう孔周囲のびらんは、放置してよい。
2 ろう孔は、カテーテルの抜去後、およそ1時間で自然に閉鎖する。
3 カテーテルの交換は不要である。
4 ミキサー食の注入は禁止されている。
5 経口摂取も併用できる。

選択肢5が正解です。

第31回 問題112 

胃ろうによる経管栄養の実施手順として、栄養剤を利用者のところに運んだ後の最初の行為として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 体位の確認
2 物品の劣化状況の確認
3 栄養剤の指示内容の確認
4 本人であることの確認
5 経管栄養チューブの固定状況の確認

選択肢4が正解です。

第35回 問題62

胃ろうによる経管栄養での生活上の留意点の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  「日中は、ベッド上で過ごします」
2  「夜寝るときは、上半身を起こした姿勢で寝ます」
3  「便秘の心配はなくなります」
4  「口から食べなくても口腔ケアは必要です」
5  「入浴は清拭に変更します」

1  「日中は、ベッド上で過ごします」
誤りです。経管栄養を実施している時以外は通常の生活ができます。

2  「夜寝るときは、上半身を起こした姿勢で寝ます」
誤りです。経管栄養を実施している時以外は通常の生活ができます。

3  「便秘の心配はなくなります」
誤りです。経管栄養をしていると水分や食物繊維が不足しがちで、さらに運動不足や腸の蠕動機能の低下などもあり、便秘になりやすいです。

4  「口から食べなくても口腔ケアは必要です」
これが正解です。経管栄養で口から食べなくなると唾液の分泌量が減少し細菌の繁殖が起こりやすいため、口腔ケアが必要です。

5  「入浴は清拭に変更します」
誤りです。胃ろうをしていても入浴は可能です。

第33回 問題49 

自己導尿を行っている利用者に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 座位が不安定な場合は、体を支える。
2 利用者が自己導尿を行っている間は、そばで見守る。
3 利用者と一緒にカテーテルを持ち、挿入する。
4 再利用のカテーテルは水道水で洗い、乾燥させる。
5 尿の観察は利用者自身で行うように伝える。

選択肢1が正解です。

第34回 問題109

社会福祉士及び介護福祉士法で規定されている介護福祉士が実施できる経管栄養の行為として、正しいものを1つ選びなさい。
1 栄養剤の種類の変更
2 栄養剤の注入速度の決定
3 経鼻経管栄養チューブの胃内への留置
4 栄養剤の注入
5 胃ろうカテーテルの定期交換

1 栄養剤の種類の変更
これは医師が行います。

2 栄養剤の注入速度の決定
これは医師が行います。

3 経鼻経管栄養チューブの胃内への留置
これは医師または看護師が行います。

4 栄養剤の注入
これが正解、栄養剤の注入は介護福祉士が実施できます。

5 胃ろうカテーテルの定期交換
これは医師が行います。

第34回 問題110

気管カニューレ内部の喀痰吸引{かくたんきゅういん}で、指示された吸引時間よりも長くなった場合、吸引後に注意すべき項目として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 体温
2 血糖値
3 動脈血酸素飽和度
4 痰の色
5 唾液の量

選択肢3が正解です。市販のパルスオキシメーターで測定できます。

第34回 問題112

経管栄養で用いる半固形タイプの栄養剤の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 経鼻経管栄養法に適している。
2 液状タイプと同じ粘稠度である。
3 食道への逆流を改善することが期待できる。
4 仰臥位(背臥位)で注入する。
5 注入時間は、液状タイプより長い。

1 経鼻経管栄養法に適している。
誤りです。半固形タイプの栄養剤は、胃ろうと腸ろうの経管栄養に適しています。

2 液状タイプと同じ粘稠度である。
誤りです。液状タイプより粘稠度は高いです。

3 食道への逆流を改善することが期待できる。
これが正解です。

4 仰臥位(背臥位)で注入する。
誤りです。注入時は上半身を少し起こす体位にします。仰臥位にすると胃食道逆流が起きやすくなります。

5 注入時間は、液状タイプより長い。
誤りです。半固形タイプの方が注入時間は短いです。

第34回 問題113

経管栄養で、栄養剤の注入後に白湯を経管栄養チューブに注入する理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 チューブ内を消毒する。
2 チューブ内の栄養剤を洗い流す。
3 水分を補給する。
4 胃内を温める。
5 栄養剤の濃度を調節する。

選択肢2が正解です。これによって注入口のつまりとチューブの閉塞を防ぎます。

第31回 問題85 

重度の認知症高齢者の胃ろう栄養法に関する支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 主治医が導入するかしないかを決定する。
2 家族が導入するかしないかを決定する。
3 本人の意向や価値観の把握に努め、本人にとっての最善を関係者で判断する。
4 成年後見人がいる場合、成年後見人が導入するかしないかを決定する。
5 看取り期には、介護福祉職の判断で胃ろう栄養法を中止する。

選択肢3が正解です。

第36回 問題59

次の記述のうち、喀痰吸引等を実施する訪問介護事業所として登録するときに、事業所が行うべき事項として、正しいものを1つ選びなさい。
1  登録研修機関になる。
2  医師が設置する安全委員会に参加する。
3  喀痰吸引等計画書の作成を看護師に依頼する。
4  介護支援専門員(ケアマネジャー)の文書による指示を受ける。
5  医療関係者との連携体制を確保する。

1  登録研修機関になる。
誤りです。登録研修機関は、介護福祉士等が喀痰吸引等を行うために必要な研修を実施している機関です。

2  医師が設置する安全委員会に参加する。
誤りです。登録するために事業所は安全委員会を設置しなければなりません。

3  喀痰吸引等計画書の作成を看護師に依頼する。
誤りです。喀痰吸引等計画書を作成しなければなりませんが、作成するのは喀痰吸引等業務従事者(介護福祉士等)です。

4  介護支援専門員(ケアマネジャー)の文書による指示を受ける。
誤りです。ケアマネではなく医師の文書による指示を受けなければなりません。

5  医療関係者との連携体制を確保する。
これが正解です。

第36回 問題61

次のうち、痰の吸引の準備に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  吸引器は、陰圧になることを確認する。
2  吸引びんは、滅菌したものを用意する。
3  吸引チューブのサイズは、痰の量に応じたものにする。
4  洗浄水は、決められた消毒薬を入れておく。
5  清浄綿は、次亜塩素酸ナトリウムに浸しておく。

1  吸引器は、陰圧になることを確認する。
これが正解です。陰圧にならないと吸い込めません。

2  吸引びんは、滅菌したものを用意する。
誤りです。吸引びんは排出されたものを溜める入れ物なので滅菌する必要はありません。

3  吸引チューブのサイズは、痰の量に応じたものにする。
誤りです。吸引チューブのサイズは医師の指示に従います。

4  洗浄水は、決められた消毒薬を入れておく。
誤りです。洗浄水には消毒薬を入れる必要はありません。

5  清浄綿は、次亜塩素酸ナトリウムに浸しておく。
誤りです。洗浄綿は皮膚や口腔の清拭などに使用しますので、次亜塩素酸ナトリウムには浸しません。

第36回 問題62

 次のうち、経管栄養で起こるトラブルに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  チューブの誤挿入は、下痢を起こす可能性がある。
2  注入速度が速いときは、嘔吐を起こす可能性がある。
3  注入物の温度の調整不良は、脱水を起こす可能性がある。
4  注入物の濃度の間違いは、感染を起こす可能性がある。
5  注入中の姿勢の不良は、便秘を起こす可能性がある。

1  チューブの誤挿入は、下痢を起こす可能性がある。
誤りです。チューブの誤挿入は、経鼻経管栄養のチューブが胃ではなく気管に挿入される等があり、子の場合は呼吸が苦しくなったりむせ込んだりします。

2  注入速度が速いときは、嘔吐を起こす可能性がある。
これが正解です。

3  注入物の温度の調整不良は、脱水を起こす可能性がある。
誤りです。これは下痢を起こす可能性があります。

4  注入物の濃度の間違いは、感染を起こす可能性がある。
誤りです。濃度が高すぎると下痢や血糖上昇、濃度が低すぎると低栄養になります。

5  注入中の姿勢の不良は、便秘を起こす可能性がある。
誤りです。これは嘔吐や誤嚥が生じる可能性があります。

第37回 問題61

次の記述のうち、介護福祉士が行う口腔内の喀痰吸引の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  吸引圧は、利用者の体調によって介護福祉士が決める。
2  吸引圧をかけた状態で、吸引チューブを挿入する。
3  口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
4  吸引チューブを回転させながら痰を吸引する。
5  吸引後は洗浄水を吸引し、清浄綿でチューブを拭く。

1  吸引圧は、利用者の体調によって介護福祉士が決める。
誤りです。吸引圧は定められた基準に基づいて設定します。

2  吸引圧をかけた状態で、吸引チューブを挿入する。
誤りです。吸引チューブを挿入してから吸引圧をかけます。

3  口蓋垂まで吸引チューブを挿入する。
誤りです。吸引チューブは、誤嚥や気道損傷につながらないよう口蓋垂(のどの奥)より手前の位置に挿入します。

4  吸引チューブを回転させながら痰を吸引する。
これが正解です。痰がチューブに絡みつきやすくなり、より効率的に痰を取り除くことができます。

5  吸引後は洗浄水を吸引し、清浄綿でチューブを拭く。
誤りです。これでは消毒になりません。

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