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【食中毒&感染症】スタンダードプリコーションって何?

スタンダードプリコーション 疾患

様々な食中毒菌やウイルスがありますが、ノロウイルスは怖いです。集団感染して地獄絵図になりますので、次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒など、しっかりとした知識を入れておきましょう。

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消毒&滅菌

消毒(disinfection)とは、生存する微生物の数を減らすことです。

一方で滅菌(sterilizationとは、細菌芽胞を含むすべての微生物を殺滅または除去することです。

ですので、消毒は家庭でもできますが、滅菌は専用の設備が必要になります。

スタンダードプリコーション

スタンダード・プリコーションとは、医療・ケアを提供する病院や介護施設等で適用される感染予防のための標準予防策です。

感染症の有無に関わらず、全ての利用者・患者に対して普遍的に適用される予防策です。

「汗を除くすべての血液、体液、分泌物、損傷のある皮膚・粘膜は感染性病原体を含む可能性がある」という原則に基づき、以下の内容が実施されます。

手指衛生
個人防護具の使用(手袋、ガウン、マスク、ゴーグル、フェイスシールド)
呼吸器衛生(咳エチケット)
周辺環境の整備
リネン類の取り扱い
患者ケア器材・器具・機器の取扱い
安全な注射手技
その他

食中毒菌

ウエルシュ菌

ウエルシュ菌は、酸素(空気)がないところでも増殖し、100℃の加熱にも耐えます。

カレーやシチューなどの粘性の高い煮込み料理は、酸素濃度が低い鍋底にウェルシュ菌が増殖しやすい状態になります。

カンピロバクター

カンピロバクターはヒトや動物の腸管内でしか増殖しない、乾燥に弱い、通常の加熱調理で死滅するなどの特性を持っています。

鶏肉が原因のカンピロバクター食中毒が多くなっています。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は、少量の菌でも食中毒を発症し、乾燥に強い性質があります。

サルモネラ菌による食中毒は、肉や卵が原因になることが多く、特に生卵は要注意です。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオによる食中毒は、魚介類の生食が原因となることが多いです。

10℃以下では発育せず熱にも弱いため、低温保存や十分な加熱調理が有効です。

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌による食中毒は様々な食物が原因となります。

食物の中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくり、この毒素を食品と一緒に食べることにより食中毒症状が出ます。

黄色ブドウ球菌は熱に弱いのですが、毒素は100℃の加熱でも分解されません。

MRSAはこの黄色ブドウ球菌の仲間で、性質は黄色ブドウ球菌と同じですが、耐性遺伝子を持っているため抗生物質が効きにくく、重症化すると、敗血症、髄膜炎、心内膜炎、骨髄炎などに陥って死亡する事もあります。

カリスマくん
カリスマくん

MRSAを含む黄色ブドウ球菌はだれもが保菌していて、免疫力が高いうちは症状は出ないんだけど、免疫力が低下すると重症化するよ。

ノロウイルス

ノロウイルスに感染すると、激しい嘔吐に見舞われます。

ノロウイルス対策のポイントは、食品は中心部温度85℃以上で1分以上加熱すること、そして消毒はアルコール消毒ではダメで、「次亜塩素酸ナトリウム溶液」を使用するということです。

カリスマくん
カリスマくん

次亜塩素酸ナトリウムは、キッチンハイターとかに含まれているやつだね。

過去問

第35回 問題59

消毒と滅菌に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1  消毒は、すべての微生物を死滅させることである。
2  複数の消毒液を混ぜると効果的である。
3  滅菌物には、有効期限がある。
4  家庭では、熱水で滅菌する。
5  手指消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを用いる。

1  消毒は、すべての微生物を死滅させることである。
誤りです。これは滅菌の説明です。

2  複数の消毒液を混ぜると効果的である。
誤りです。例えば、塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると有毒な塩素ガスが発生します。

3  滅菌物には、有効期限がある。
正しいです。

4  家庭では、熱水で滅菌する。
誤りです。家庭では消毒は行えますが、滅菌は行えません。滅菌は全ての微生物を死滅させることなので、専用の設備が必要です。

5  手指消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
誤りです。次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性のため、皮膚に直接付着すると肌が荒れてしまいます。

第35回 問題97

ノロウイルス(Norovirus)による感染症の予防のための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。
2  嘔吐物は、乾燥後に処理をする。
3  マスクと手袋を着用して、嘔吐物を処理する。
4  手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。
5  嘔吐物のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。

1  食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。
誤りです。食品は中心部温度85℃以上で1分以上加熱します。

2  嘔吐物は、乾燥後に処理をする。
誤りです。嘔吐物にはウイルスが含まれているため速やかに次亜塩素酸ナトリウムで殺菌します。

3  マスクと手袋を着用して、嘔吐物を処理する。
これが正解です。

4  手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。
誤りです。ノロウイルスにはエタノールではなく次亜塩素酸ナトリウムを使用します。

5  嘔吐物のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。
誤りです。嘔吐物のついたシーツを洗濯機で洗ってしまうと、他の洗濯物も汚染してしまいます。

第33回 問題53 

食中毒の予防に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 鮮魚や精肉は、買物の最初に購入する。
2 冷蔵庫の食品は、隙間なく詰める。
3 作って保存しておく食品は、広く浅い容器に入れてすばやく冷ます。
4 再加熱するときは、中心部温度が60℃で1分間行う。
5 使い終わった器具は、微温湯をかけて消毒する。

選択肢3が正解です。

第32回 問題26 

高齢者介護施設で、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の保菌者が確認されたときの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 入所者全員の保菌の有無を調べる。
2 接触感染予防策を実施する。
3 保菌者のレクリエーションへの参加を制限する。
4 保菌者は最初に入浴する。
5 通常用いられる消毒薬は無効である。

選択肢2が正解です。
接触感染なので、スタンダードプリコーションを実施する必要があります

第32回 問題53 

肉入りのカレーを常温で保存し、翌日、加熱調理したときの食中毒の原因菌として、最も注意しなければならないものを1つ選びなさい。
1 ウエルシュ菌
2 カンピロバクター
3 サルモネラ菌
4 腸炎ビブリオ
5 黄色ブドウ球菌

選択肢1が正解です。
肉などについているウェルシュ菌は100℃でも死滅しないので、一晩おいたカレーを加熱しても食中毒が起きることがあります。

第32回 問題54 

ノロウイルスに感染した人の嘔吐物のついた衣服の処理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 嘔吐物を拭き取ったペーパータオルはごみ箱に捨てる。
2 汚染された部分にアルコールを噴霧する。
3 汚染された部分を強くもみ洗いする。
4 嘔吐物を取り除いた後、次亜塩素酸ナトリウム溶液につける。
5 40℃の湯で洗濯する。

選択肢4が正解です。

第31回 問題25 

介護老人福祉施設の感染対策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 感染対策のための委員会を開催することは任意である。
2 手洗いは、消毒液に手を浸して行う。
3 洗面所のタオルは共用にする。
4 入所者の健康状態の異常を発見したら、すぐに生活相談員に報告する。
5 おむつ交換は、使い捨て手袋を着用して行うことが基本である。

選択肢5が正解です。

第31回 問題109 

次のうち、スタンダードプリコーション(standard precautions:標準予防策)において、感染する危険性のあるものとして取り扱う対象を1つ選びなさい。
1 汗
2 唾液
3 経管栄養剤
4 傷のない皮膚
5 未使用の吸引チューブ

選択肢2が正解です。
汗は皮膚表面の汗腺から分泌されるため感染源にはなりくいと考えられています。

次の記事

次は、について。これで疾患については最後です。

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