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【三大認知症】アルツハイマー型、血管性認知症、レビー小体型

3大認知症 病気・怪我・薬

日本における認知症の人は、2020年現在で600万人、2030年には700~800万人に達する見込みです。

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認知症の中核症状

・記憶障害
・見当識障害
・理解・判断力の低下
・実行機能障害
・言語障害(失語)
・失行、失認などの認知機能障害

失行というのは、パターンや順序を覚える必要がある作業を行う能力が失われる障害で、服をうまく着られなくなる等ですね。失認とは、対象物を認知することの障害で、目の前のものが認識できない等ですね。見当識障害とは、現在の時間や場所がわからなくなる障害です。

認知症の行動・心理症状(BPSD)

認知症の中核症状から二次的に表れる症状として、「行動・心理症状:BPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)」があります。

BPSDは、もともと周辺症状と呼ばれていましたが、こちらの症状の方が実際の介護ではたいへんという現実から、「行動・心理症状」と呼ばれるようになりました。

BPSDには以下のように精神症状と行動症状があります。

精神症状:不安、焦燥、アパシー、うつ、幻覚、妄想
行動症状:徘徊、多動、暴言、暴力

認知症の種類

<三大認知症>
・アルツハイマー型認知症
・(脳)血管性認知症
・レビー小体型認知症

1位:アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、脳の中にアミロイドβなどの不要なタンパク質が溜まることが原因で、全体の6割以上を占める最も多い認知症です。男性より女性に多い認知症です。
特徴的な症状:認知機能障害

2位:(脳)血管性認知症

血管性認知症は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病による脳梗塞やくも膜下出血などが原因で、全体の2割程度を占めます。
特徴的な症状:認知機能障害(まだら認知症)、感情がコントロールできず、抑うつや怒り、投げやりな態度になりやすい。

「まだら認知症」というのは、脳の血管の状態が良好な時は症状が出ないので、症状が出たり出なかったりする「まだら」な認知症ということです。

3位:レビー小体型認知症

脳の神経細胞の中に、「レビー小体」と呼ばれる異常なタンパク質が溜まると発症します。
特徴的な症状:幻視、パーキンソン症状
パーキンソン症状による姿勢の傾きや嚥下機能の低下から、誤嚥性肺炎になりやすいのも特徴です。

4位:前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉の神経細胞が壊れていく認知症です。

物忘れよりも性格変化や行動異常が目立つため、認知症と判別しにくいのが特徴です。
特徴的な症状:常同行動、社会性の欠如
前頭側頭型認知症の一種にピック病があります。
ピック病は若くして発症する若年性認知症で、怒りっぽくなる等の急激な人格面での変化から行動障害や記憶障害に至ります。

まとめ

  アルツハイマー型認知症 (脳)血管性認知症 レビー小体型認知症 前頭側頭型認知症
割合 6割 2割 1割 1割以下
原因 不要なタンパク質の脳内蓄積 脳梗塞やクモ膜下出血など 神経細胞に出来るタンパク質(レビー小体)の増加 不明
症状 物忘れ等 まだら認知症、抑うつや怒りなど感情のコントロールができない パーキンソン症状、幻視 人格面での変化、行動障害

認知症の原因疾患

クロイツフェルト・ヤコブ病

クロイツフェルト・ヤコブ病は指定難病のひとつで、進行性認知症の症状もあります。
詳しくは以下の記事で。

【認知症】クロイツフェルト・ヤコブ病ってなに?
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob Disease)は指定難病のひとつです。厚生労働省のページには以下のように書かれています。神経難病のひとつで、抑う...

慢性硬膜下血腫

頭蓋骨と脳の間に血の固まりができ、それが脳を圧迫することで認知症の症状がでます。

脳を圧迫している血液が除去されれば症状は治まるため、治るタイプの認知症です。
頭部CT検査をすればわかります。

正常圧水頭症

脳脊髄液が脳室に過剰にたまり、脳を圧迫することで認知症の症状がでます。
初期症状として歩行障害が見られます。
慢性硬膜下血腫と同じく、脳を圧迫している脳脊髄液が除去されれば症状は治ります。

認知症の予防

認知症を予防するには、規則正しい生活で健康を保ち、人との関わりや集団での交流も重要になります。

認知症の治療

正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫であれば手術などで脳の圧迫が除去できれば完治しますが、3大認知症などは基本的に完治しません。

抗認知症薬がありますが、進行を遅らせたりという程度です。

抗認知症薬については、以下の記事で。

【薬まとめ】抗認知症薬、抗ヒスタミン薬、座薬
抗認知症薬日本で使われている抗認知症薬には、塩酸ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの4種類が主なものです。ただしこれらは根本治療薬ではなく症状を軽減する程度の作用しかなく、さらに副作用として悪心や下痢を生...

認知症の人への支援

厚生労働省が進めている認知症サポーターキャラバンなど、認知症の人への支援の形は様々あります。
詳しくは以下の記事で。

【認知症施策】認知症サポーターとキャラバンメイト
バリデーション療法、認知症ケアマッピング、ユマニチュードなどの高齢者関係の単語は国家試験に頻出です。意味を知っているだけで点数になるので覚えましょう。

仮性認知症

仮性認知症は高齢者のうつ病症状により集中力や判断力、記憶力が低下して一見認知症のように見える状態のことです。

うつ病による仮性認知症と実際の認知症の違いは、実際の認知症では判断障害が見られるという点です。

過去問

第33回 問題78 

日本における認知症(dementia)の原因のうち、アルツハイマー型認知症の次に多い疾患として、正しいものを1つ選びなさい。
1 血管性認知症(vascular dementia)
2 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)
3 混合型認知症(mixed type dementia)
4 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)
5 アルコール性認知症(alcoholic dementia)

選択肢1が正解です。
アルツハイマー型が6割を占めますが、次いで脳梗塞や脳出血などが原因の血管性認知症が多いです。

第33回 問題79 

日本での認知症に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症以外の認知症の患者数が増加している。
2 アルツハイマー型認知症の有病率は、男性より女性が高い。
3 年齢が若いほど、認知症発症のリスクが高い。
4 生活習慣病と認知症発症には関連がない。
5 運動は認知症予防に無効である

選択肢2が正解です。

第33回 問題80 

認知症初期集中支援チームに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症の人は病院への入院や施設への入所をするべきであるという考えに基づいている。
2 既に認知症の診断を受けている人への支援は含まれない。
3 家族への支援は含まれない。
4 支援期間は2~3年である。
5 チーム員会議を開催してケア方針を決定する。

選択肢5が正解です。
認知症初期集中支援チームは、医師、保健師、看護師、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士などをメンバーとするチームで、その構成にも条件があります。詳細は以下の記事で。

【認知症施策】認知症サポーターとキャラバンメイト
バリデーション療法、認知症ケアマッピング、ユマニチュードなどの高齢者関係の単語は国家試験に頻出です。意味を知っているだけで点数になるので覚えましょう。

第33回 問題82 

レビー小体型認知症に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 脳梗塞が原因である。
2 初発症状は記憶障害である。
3 けいれんがみられる。
4 人格変化がみられる。
5 誤嚥性肺炎の合併が多い。

選択肢5が正解です。

第33回 問題84 

認知症の原因疾患を鑑別するときに、慢性硬膜下血腫の診断に有用な検査として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 血液検査
2 脳血流検査
3 頭部CT検査
4 脳波検査
5 認知機能検査

選択肢3が正解です。

第33回 問題85 

認知症に伴う注意障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 周囲から物音が聞こえてくると、食事を中断したままになる。
2 毎日、同じ時間に同じ行動をする。
3 旅行の計画を立てることが難しい。
4 話そうとすることを言い間違える。
5 介護職員から説明を受けたことを覚えていない。

選択肢1が正解です。

第32回 問題77 

2012年(平成24年)の認知症高齢者数と2025年(平成37年)の認知症高齢者数に関する推計値(「平成29年版高齢社会白書」(内閣府))の組合せとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 162万人  約400万人
2 262万人  約500万人
3 362万人  約600万人
4 462万人  約700万人
5 562万人  約800万人
(注) 平成37年とは令和7年のことである。

選択肢4が正解です。

第32回 問題78 

認知症の行動・心理症状(BPSD)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 トイレの水を流すことができない。
2 物事の計画を立てることができない。
3 言葉を発することができない。
4 親しい人がわからない。
5 昼夜逆転が生じる。

選択肢5が正解です。

第32回 問題80 

認知症の初期症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 血管性認知症では、幻視が認められる。
2 正常圧水頭症では、歩行障害が認められる。
3 前頭側頭型認知症では、エピソード記憶の障害が認められる。
4 アルツハイマー型認知症では、失禁が認められる。
5 レビー小体型認知症では、もの盗られ妄想が認められる。

選択肢2が正解です。

第32回 問題81 

認知症の発症リスクを低減させる行動に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 抗認知症薬を服用する。
2 睡眠時間を減らす。
3 集団での交流活動に参加する。
4 運動の機会を減らす。
5 飽和脂肪酸を多く含む食事を心がける。

選択肢3が正解です。

第32回 問題83 

前頭側頭型認知症の症状のある人への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 周回がある場合は、GPS追跡機で居場所を確認する。
2 甘い食べ物へのこだわりに対しては、甘い物を制限する。
3 常同行動がある場合は、本人と周囲の人が納得できる生活習慣を確立する。
4 脱抑制がある場合は、抗認知症薬の服薬介護をする。
5 施設内で職員に暴力をふるったときは、警察に連絡する。

選択肢3が正解です。

第32回 問題84 

Cさん(78歳、男性、要介護2)は、4年前にアルツハイマー型認知症と診断を受け、通所介護(デイサービス)を週1回利用している。
以前からパソコンで日記をつけていたが、最近はパソコンの操作に迷い、イライラして怒りっぽくなったと娘から相談を受けた。
介護福祉職が娘に対して最初に行う助言の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 パソコンの処分
2 パソコンの使い方の手助け
3 日記帳の購入
4 薬物治療について主治医に相談
5 施設入所について介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談

選択肢2が正解です。

第32回 問題85 

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で生活している軽度のアルツハイマー型認知症のDさんは、大腿骨の頸部を骨折して入院することになった。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の介護福祉職が果たす役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 理学療法士に、リハビリテーションの指示をしても理解できないと伝える。
2 介護支援専門員(ケアマネジャー)に、地域ケア会議の開催を依頼する。
3 医師に、夜間は騒ぐ可能性があるので睡眠薬の処方を依頼する。
4 看護師に、日常生活の状況を伝える。
5 保佐人に、治療方法の決定を依頼する。

選択肢4が正解です。

第31回 問題77 

介護老人保健施設に入所した認知症高齢者が、夜中に荷物を持って部屋から出てきて、介護福祉職に、「出口はどこか」と聞いてきた。
介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「今日はここにお泊りになることになっています」と伝える。
2 「もうすぐご家族が迎えに来るので、お部屋で待っていましょう」と居室に誘う。
3 「トイレですよね」と手を取って案内する。
4 「どちらに行きたいのですか」と声をかけて並んで歩く。
5 「部屋に戻って寝ましょう」と荷物を持って腕を取る。

選択肢4が正解です。

第31回 問題79 

認知症の人を支援する施策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症サポーターは、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、認知症の人を支援する。
2 介護保険制度では、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、居宅サービスに位置づけられている。
3 認知症と診断された39歳の人は、介護保険制度を利用できる。
4 介護保険制度では、認知症対応型通所介護は施設サービスに位置づけられている。
5 成年後見制度では、地域包括支援センターの社会福祉士が補助人、保佐人、成年後見人を選定する。

選択肢1が正解です。

第31回 問題80 

加齢による物忘れと比べたときの、認知症による物忘れの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 見当識障害はない。
2 物忘れの自覚はない。
3 物忘れが進行しない。
4 日常生活に明らかな支障はない。
5 体験の一部分だけを思い出せない。

選択肢2が正解です。

第31回 問題81 

認知機能障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 記憶障害では、初期から手続き記憶が障害される。
2 見当識障害では、人物の認識は障害されない。
3 失行では、洋服をうまく着られなくなる。
4 失認は、視覚や聴覚の障害が原因である。
5 実行機能の障害では、ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)は障害されない。

選択肢3が正解です。

第31回 問題82 

軽度認知障害に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 記憶力の低下の訴えがある。
2 日常生活に支障がある。
3 認知症(dementia)の一種である。
4 CDR(Clinical Dementia Rating)のスコアが2である。
5 全般的な認知機能が低下している。

選択肢1が正解です。

第31回 問題84 

認知症の原因となる疾患と、特徴的な行動・心理症状(BPSD)の組合せとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症 幻視
2 血管性認知症 抑うつ
3 レビー小体型認知症 人格変化
4 前頭側頭型認知症 もの盗られ妄想
5 クロイツフェルト・ヤコブ病 徘徊

選択肢2が正解です。

第31回 問題85 

重度の認知症高齢者の胃ろう栄養法に関する支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 主治医が導入するかしないかを決定する。
2 家族が導入するかしないかを決定する。
3 本人の意向や価値観の把握に努め、本人にとっての最善を関係者で判断する。
4 成年後見人がいる場合、成年後見人が導入するかしないかを決定する。
5 看取り期には、介護福祉職の判断で胃ろう栄養法を中止する。

選択肢3が正解です。

第31回 問題86 

認知症の母親を献身的に介護している息子が、母親に怒鳴られてたたきそうになった。
それを見ていた介護福祉職の息子への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「孝行息子のあなたが手を上げるなんて…」と注意する。
2 「行政に通報します」と告げる。
3 「認知症だから怒鳴るのは仕方がない」と慰める。
4 「地域にある認知症の人と家族の会を紹介します」と伝える。
5 「懸命に介護をして疲れていませんか」と話を聴く。

選択肢5が正解です。

第33回 問題77 

うつ病による仮性認知症と比べて認知症に特徴的な事柄として、適切なものを1つ選びなさい。
1 判断障害がみられることが多い。
2 不眠を訴えることが多い。
3 誇張して訴えることが多い。
4 希死念慮がみられることが多い。
5 抗うつ薬が効果的であることが多い。

選択肢1が正解です。

次の記事

次は、認知症症状の出るクロイツフェルト・ヤコブ病について。

【認知症】クロイツフェルト・ヤコブ病ってなに?
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