認知機能が不十分な高齢者や知的障害者の権利を護るために、さまざまな制度があります。
成年後見制度
成年後見制度は、認知機能のレベルに応じて、補助、保佐、後見と3段階に分かれています。
詳しくは以下の記事で。
日常生活自立支援事業
認知機能が低下しているものの、成年後見制度を利用するほどでもないレベルの方向けに、日常生活自立支援事業があります。
自分でこの事業に契約できるレベルの認知機能は必要で、福利サービスの利用援助などのサービスがあります。
消費生活センター
消費生活センターは消費生活に関する様々な相談や苦情を受け付けてくれる機関です。
地方公共団体が設置主体となり、消費者被害の救済やくらしに役立つ情報提供、消費者教育・啓発などの行政サービスを行っています。
認知症の高齢者が、不必要な高額商品を契約してしまった、などのトラブルに合ったら、まずはここに相談しましょう。
過去問
第32回 問題15
成年後見制度に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 「2018年(平成30年)の全国統計」によれば、補助、保佐、後見のうち、最も多い申立ては後見である。
2 「2018年(平成30年)の全国統計」によれば、親族後見人が7割を占めている。
3 成年後見人は、施設入所の契約だけでなく介護も行う。
4 任意後見制度では、候補者の中から家庭裁判所が成年後見人を選任する。
5 成年後見制度利用支援事業では、成年後見人への報酬は支払えない。
(注) 「2018年(平成30年)の全国統計」とは、「成年後見関係事件の概況-平成30年1月~12月-」(平成31年3月最高裁判所事務総局家庭局)のことである。
1 「2018年(平成30年)の全国統計」によれば、補助、保佐、後見のうち、最も多い申立ては後見である。
これが正解です。
2 「2018年(平成30年)の全国統計」によれば、親族後見人が7割を占めている。
親族後見人は2割程度です。
3 成年後見人は、施設入所の契約だけでなく介護も行う。
成年後見人は介護はしません。
4 任意後見制度では、候補者の中から家庭裁判所が成年後見人を選任する。
間違いです。家庭裁判所が選任するのは任意後見監督人です。
5 成年後見制度利用支援事業では、成年後見人への報酬は支払えない。
そんなことはありません。
第32回 問題55
Aさん(85歳、女性、要介護1)は、認知症(dementia)があり判断能力が不十分である。
一人暮らしで、介護保険サービスを利用している。
訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに、物品売買契約書を見つけた。
Aさんは、「昨日、訪問販売の業者が来た」「契約書については覚えていない」と話した。
訪問介護員(ホームヘルパー)から連絡を受けたサービス提供責任者が、迅速にクーリング・オフの手続きを相談する相手として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 行政書士
2 消費生活センター
3 家庭裁判所
4 保健所
5 相談支援事業所
選択肢2が正解です。
次の記事
次は、障害者について。
コメント