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【老化】記憶力、嚥下機能、感覚器官

加齢 人体と健康

老化や加齢による記憶力や知能、嚥下機能などへの影響は、介護福祉士国家試験で頻出です。必ず覚えましょう。

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記憶力

記憶の種類によって加齢による影響を受けやすいものがあります。

加齢で低下する記憶

エピソード記憶:過去のエピソード(出来事)の記憶
作動記憶作業記憶(ワーキングメモリ):頭の中で暗算をするなど、一時的な情報処理のために短期的に留めておく記憶

加齢で低下しにくい記憶

意味記憶:言葉の意味などの「知識」や「固有名詞」
手続き記憶:車の運転の仕方とかパソコンの使い方とか、体で覚える記憶

知能

加齢で衰えにくい知能

結晶性知能は、専門的な知識や料理などの日常の習慣、長年にわたる趣味に関する知識などのこと

加齢で衰えやすい知能

流動性知能は、新しい場面への適応に必要な能力のことで、独創的なアイデアとか問題解決能力にもつながります。

結晶性知能は過去の経験の積み重ねが土台となっているため加齢によって衰えにくい知能であり、認知症の方でも結晶性知能は保っているという例がよくあります。一方で、流動性知能は加齢による低下が顕著に見られるという特徴があります。

感覚機能

視覚:名暗順応の低下

老化により明暗に順応する時間が長くなります。

カリスマくん
カリスマくん

明るいところから暗い所へいくと目が慣れるのに時間がかかるね。これが暗順応。

聴覚:高周波音が聞こえにくくなる

高齢者はモスキート音が聞こえないとかいいますね。

味覚:味を感じにくくなる

加齢によって味蕾(みらい)が減少しそれによって味を感じにくくなります。

高齢になると濃い味を好むようになるのはこれが原因です。

カリスマくん
カリスマくん

味蕾というのは味を感じる器官のことだね。

嚥下機能

高齢になると嚥下機能(飲み込む力)が低下します。
嚥下機能が低下する原因としては、「喉頭挙上の不足」が挙げられます。
喉頭挙上とは、嚥下をする時にのどぼとけが一旦挙上する動きのことで、挙上してから下がることで食物を咽頭に送り込みます。これが不足すると食べ物が咽頭にスムーズに送られなくなって嚥下機能が低下します。

高齢になると以下の能力や機能が低下し、誤嚥しやすくなります。

嚥下反射の低下

嚥下反射とは、食べ物を、のどから食道まで一気に運ぶ運動を起こす反射のことです。

咽頭反射の低下

咽頭反射とは、気管に異物が入らないよう喉の奥に指を詰め込むとオエっとなることです。

咳嗽反射の低下

咳嗽反射とは、異物が気管に入った時にむせ込むことです。

カリスマくん
カリスマくん

「がいそうはんしゃ」と読むんだよ。

ということで誤嚥しやすくなり、誤嚥性肺炎などを引き起こします。
高齢者が喉に食べ物を詰めやすくなるのは、これだけの理由があるのです。

内臓機能

腎機能

腎臓は加齢の影響を受けやすい臓器です。加齢によって濾過機能や原尿の生成機能が低下し、結果として尿の濃縮力が低下します。

老年症候群

老年症候群とは、加齢に伴い高齢者に多くみられる、医師の診察や介護・看護を必要とする症状・徴候の総称のことで、以下の生理的老化と病的老化を含む複数の症状を併せ持ちます。

生理的老化

生理的老化とは、加齢によって生じる身体的・生理的機能の低下のことです。生理的老化は遺伝的にプログラムされて必然的に生じる老化です(内在性)。これは生命全体に普遍的に生じるもので(普遍性)、この変化は巻き戻すことができません(進行性)。この機能低下は、生命体にとって有害なものです(有害性)。

例えば内臓機能の低下や体水分量の減少、感覚機能の低下などです。

カリスマくん
カリスマくん

高齢になると体水分量が減少し、口渇感も感じにくくなるため脱水状態に陥りやすくなるよ。脱水状態になると血液量も減少するため頻脈になり、血圧が低下してしまうよ。

病的老化

病的老化は疾患やけがなどによりおきる症状です。

カリスマくん
カリスマくん

生理的老化は一般的な老化のことだね。これに対して病的老化は病的な状態を引き起こす老化だよ。

過去問

第33回 問題72 

加齢による味覚の変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 味蕾の数に年齢による違いはない。
2 服用する薬剤で味覚が変化することはない。
3 唾液が増加して味覚が敏感になる。
4 濃い味を好むようになる。
5 口腔ケアは関係ない。

選択肢4が正解です。

第32回 問題71 

加齢に伴う嚥下機能の低下の原因に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 舌骨の位置の上昇
2 咽頭の位置の上昇
3 舌骨上筋の増大
4 喉頭挙上の不足
5 咳嗽反射の増強

1 舌骨の位置の上昇
加齢に伴い舌骨の位置が下がり嚥下機能に支障をきたすことがあります。

2 咽頭の位置の上昇
加齢に伴い咽頭の位置が下がることで嚥下機能が低下することはありますが

3 舌骨上筋の増大
加齢に伴い筋肉が落ちてきます。舌骨上筋も加齢により筋力低下し嚥下障害に繋がります。

4 喉頭挙上の不足
これが正解です。

5 咳嗽反射の増強
咳嗽反射は加齢に伴い弱くなります。

第32回 問題72 

老年期の記憶と注意機能に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 自分の若い頃の記憶では、40歳代の頃の出来事をよく覚えている。
2 数字の逆唱課題で答えられる数字の個数は、加齢による影響を受けない。
3 複数のことを同時に行う能力は、加齢によって低下する。
4 騒がしい場所での作業効率は、若年者より高齢者が高い。
5 エピソード記憶は、加齢による影響を受けない。

1 自分の若い頃の記憶では、40歳代の頃の出来事をよく覚えている。
40代はどこからでてきたのかよくわかりませんが、間違いです。

2 数字の逆唱課題で答えられる数字の個数は、加齢による影響を受けない。
このような作業記憶(ワーキングメモリ)は加齢による影響を受けます。

3 複数のことを同時に行う能力は、加齢によって低下する。
これが正解です。

4 騒がしい場所での作業効率は、若年者より高齢者が高い。
そんなわけありません。

5 エピソード記憶は、加齢による影響を受けない。
エピソード記憶は加齢により低下します。

第31回 問題71 

加齢に伴う身体機能の変化として、適切なものを1つ選びなさい。
1 周辺視野が広くなる。
2 低周波の音から聞こえにくくなる。
3 味覚の感受性が低下する。
4 振動に敏感になる。
5 嗅覚が敏感になる。

1 周辺視野が広くなる。
加齢により視野が広くなることはありません。

2 低周波の音から聞こえにくくなる。
低周波ではなく高周波の音から聞こえにくくなります。

3 味覚の感受性が低下する。
これが正解です。

4 振動に敏感になる。
加齢によって振動に敏感になることはありません。

5 嗅覚が敏感になる。
加齢によって感覚器官は鈍感になります。

第35回 問題35

加齢の影響を受けにくい認知機能として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  エピソード記憶
2  作業記憶
3  選択的注意
4  流動性知能
5  意味記憶

1  エピソード記憶
誤りです。エピソード記憶は加齢により衰えやすいです。

2  作業記憶
誤りです。作業記憶(作動記憶)は加齢により衰えやすいです。

3  選択的注意
誤りです。選択的注意は、複数の刺激から1つに注意を向ける機能で、加齢により衰えやすいです。

4  流動性知能
誤りです。流動性知能は加齢により衰えやすいです。

5  意味記憶
これが正解、意味記憶は言葉の意味などの知識で、加齢により衰えにくいです。

第35回 問題36

高齢期の腎・泌尿器系の状態や変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  尿路感染症(urinary tract infections)を起こすことは非常に少ない。
2  腎盂腎炎(pyelonephritis)の主な症状は、頭痛である。
3  尿の濃縮力が低下する。
4  前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)では、尿道の痛みがある。
5  薬物が排出される時間は、短くなる。

1  尿路感染症(urinary tract infections)を起こすことは非常に少ない。
誤りです。加齢によって残尿が増加すると尿路感染症を引き起こしやすくなります。

2  腎盂腎炎(pyelonephritis)の主な症状は、頭痛である。
誤りです。腎盂腎炎は腎臓の感染症で、発熱や患側腰部に痛みが出たりしますが頭痛は主症状ではありません。

3  尿の濃縮力が低下する。
これが正解です。

4  前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)では、尿道の痛みがある。
誤りです。前立腺肥大症は、前立腺が肥大して尿道を圧迫するため、夜間頻尿や排尿障害が引き起こしますが、前立腺肥大症そのもので尿道の痛みにはつながりません。

5  薬物が排出される時間は、短くなる。
誤りです。加齢により腎機能が低下するため薬物が排泄される時間は長くなります。

第35回 問題38

高齢者の脱水に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  若年者よりも口渇感を感じやすい。
2  体内水分量は若年者よりも多い。
3  起立時に血圧が上がりやすくなる。
4  下痢が原因となることはまれである。
5  体重が減ることがある。

1  若年者よりも口渇感を感じやすい。
誤りです。加齢により口渇感を感じにくくなります。

2  体内水分量は若年者よりも多い。
誤りです。体内水分量は若年者より高齢者の方が少ないです。

3  起立時に血圧が上がりやすくなる。
誤りです。高齢者は起立性低血圧(立ちくらみ)が起こりやすいです。

4  下痢が原因となることはまれである。
誤りです。下痢により体内の水分が排泄されて脱水になりやすいです。

5  体重が減ることがある。
これが正解です。

第34回 問題74

老化に伴う感覚機能や認知機能の変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 大きな声で話しかけられても、かえって聞こえにくいことがある。
2 会話をしながら運転するほうが、安全に運転できるようになる。
3 白と黄色よりも、白と赤の区別がつきにくくなる。
4 低い声よりも、高い声のほうが聞き取りやすくなる。
5 薄暗い部屋のほうが、細かい作業をしやすくなる。

1 大きな声で話しかけられても、かえって聞こえにくいことがある。
これが正解です。

2 会話をしながら運転するほうが、安全に運転できるようになる。
そんなことはありません。

3 白と黄色よりも、白と赤の区別がつきにくくなる。
誤りです。加齢による水晶体の編成によって白が黄色味を帯びてくすんでしまうので、白と黄色の方が区別がつきにくくなります。

4 低い声よりも、高い声のほうが聞き取りやすくなる。
誤りです。高音が聞き取りにくくなります。

5 薄暗い部屋のほうが、細かい作業をしやすくなる。
そんなことはありません。

第34回 問題99

老化に伴う視覚機能の変化に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 水晶体が茶色になる。
2 遠くのものが見えやすくなる。
3 明暗に順応する時間が長くなる。
4 ピントの調節が速くなる。
5 涙の量が増える。

選択肢3が正解です。

第36回 問題33

生理的老化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  環境によって起こる現象である。
2  訓練によって回復できる現象である。
3  個体の生命活動に有利にはたらく現象である。
4  人間固有の現象である。
5  遺伝的にプログラムされた現象である。

1  環境によって起こる現象である。
誤りです。生理的老化には内在性があり、遺伝的にプログラムされた現象です。

2  訓練によって回復できる現象である。
誤りです。生理的老化には進行性があり、不可逆なものです。

3  個体の生命活動に有利にはたらく現象である。
誤りです。生理的老化には有害性があり、有利に働きません。

4  人間固有の現象である。
誤りです。生理的老化には普遍性があり、人間に限らず全ての生命体に起こる現象です。

5  遺伝的にプログラムされた現象である。
これが正解です。

第37回 問題35

次の記述のうち、加齢に伴う感覚機能の変化として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  皮膚感覚が敏感になる。
2  高音域の聴力が高まる。
3  暗順応の時間が延長する。
4  味覚が敏感になる。
5  嗅覚が敏感になる。

選択肢3が正解です。暗闇に入った時に目が慣れるまで時間がかかるようになります。

第37回 問題38

次のうち、老年症候群に直接関わる疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  高血圧症(hypertension)
2  糖尿病(diabetes mellitus)
3  骨粗鬆症(osteoporosis)
4  心筋梗塞(myocardial infarction)
5  脂質異常症(dyslipidemia)

選択肢3が正解です。骨粗鬆症は高齢者に多く骨折のリスクを高め、寝たきりや要介護状態の原因となるため、老年症候群に直接関わる疾患です。

次の記事

次は、ロコモティブシンドロームについて。

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