高齢者に関するいくつかのキーワード(概念)を見ていきましょう。
様々なエイジングワード
アンチエイジング
アンチエイジングは、加齢に伴う心身の機能低下に抵抗して、予防や治療により老化に抗う取組です。
プロダクティブエイジング
プロダクティブエイジングは、老いを否定的に捉えず、高齢になっても生産的な活動を行ったりすることです。
サクセスフルエイジング
サクセスフルエイジングは、生き甲斐を持って良い人生を送り、幸福に老いることです。
活動理論では、高齢期においても可能な限り活動を継続することが、サクセスフルエイジングにつながると捉えます。
エイジズム
年齢に関する偏見や固定観念をエイジズムといいますが、特に、高齢者に対する差別や偏見を意味します。
高齢者を役に立たない無用な者とか、能力の劣った者とか否定的にとらえる、主観的で差別的な見方のことです。
高齢者であれば、「認知機能が低下」したり「流動性知能が低下」するのは普通のことで一般的な共通認識でもありますので、そのような高齢者への認識はエイジズムではありません。
しかし、高齢者を子ども扱いしたり、例えば「高齢者は頑固だ」という主観はエイジズムに当たります。
ジェロントフォビア
ジェロントフォビアとは、老いに対する恐怖や嫌悪を意味する心理学用語です。
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こんなの聞いたことなかった( ̄▽ ̄)
過去問
第31回 問題70
高齢者に対する次の見方のうち、エイジズム(ageism)に該当するものを1つ選びなさい。
1 心身機能の個人差が大きくなる。
2 視覚機能が低下する。
3 流動性知能が低下する。
4 認知機能が低下する。
5 頑固な性格になる。
選択肢5が正解です。
それ以外は一般的な共通認識なのでエイジズムではありません。
高齢者になれば流動性知能が低下するという点はしっかり押さえておきましょう。
第36回 問題34
- エイジズム(ageism)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 高齢を理由にして、偏見をもったり差別したりすることである。
2 高齢になっても生産的な活動を行うことである。
3 高齢になることを嫌悪する心理のことである。
4 加齢に抵抗して、健康的に生きようとすることである。
5 加齢を受容して、活動的に生きようとすることである。
1 高齢を理由にして、偏見をもったり差別したりすることである。
これが正解、エイジズムです。
2 高齢になっても生産的な活動を行うことである。
これはプロダクティブエイジングです。
3 高齢になることを嫌悪する心理のことである。
これはジェロントフォビアです。
4 加齢に抵抗して、健康的に生きようとすることである。
これはアンチエイジングです。
5 加齢を受容して、活動的に生きようとすることである。
これは活動理論のサクセスフルエイジングです。
第37回 問題37
- 次の記述のうち、サクセスフル・エイジング(successful aging)として、適切なものを1つ選びなさい。
- 1 長生きすることが、最大の目的である。
- 2 一人暮らしで、周囲の人と交流をしないようにしている。
3 膝に痛みがあるので、一日中ベッド上で過ごすようにしている。
4 難聴があるので、補聴器をつけてパソコン教室に通い始めた。
5 歌を上手に歌えなくなったので、カラオケに誘われても行かないようにしている。
選択肢4が正解です。サクセスフルエイジングは高齢になっても活動的に生きようとすることです。
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次は、災害について。
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