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【記憶】意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶、作動記憶(ワーキングメモリ)

記憶 理論・各論・方法論
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エビングハウスの忘却曲線

心理学者のエビングハウス(Ebbinghaus,H.)は、1系列13個から成る無意味綴りのリストを覚え、ある一定の時間経過後にどのくらい思い出せるかを自分自身を被験者として測定しました。

その結果、20分後には58%、1時間後には44%、1日後には26%、1週間後には23%、1か月後には21%の保持率を示しました。

つまり、下図のように学習直後から急速に忘れていって、それ以降は緩やかに忘れていくという傾向があるということです。

エビングハウスの忘却曲線
カリスマくん
カリスマくん

1日後には7割以上忘れてるのか・・・。

記憶の分類

記憶は大きく分類すると長期記憶と短期記憶があります。

3種類の長期記憶(エピソード記憶、意味記憶、手続き記憶)と短期記憶(ワーキングメモリ等)を区別して覚えましょう。

記憶の種類

短期記憶

短期記憶は文字通り短期間、短時間だけの記憶で、テストの直前に数分だけ覚えるために記憶に留めたりというのも短期記憶です。

感覚記憶

視覚や聴覚、触覚などによる感覚の記憶です。

者に触れたときの感覚のように、その場ですぐに忘れてしまう短期記憶です。

一瞬で忘れてしまうことが多いため「短期記憶」とは別にカテゴライズされることもあります。

この感覚記憶から一部が短期記憶に昇格します。

作動記憶(ワーキングメモリ)

作動記憶は、頭の中で暗算をするなど、一時的な情報処理のために短期的に留めておく記憶です。

カリスマくん
カリスマくん

まさにパソコンやスマホのメモリー機能だね。

長期記憶

一方で記憶といえば我々が一般的に思い浮かべるのは長期記憶です。

長期記憶には3種類ありますので例とともに覚えておきましょう。

意味記憶

意味記憶は「固有名詞」や「知識」のことです。

家族やモノの名前、言葉の意味などのいわゆる知識です。

カリスマくん
カリスマくん

北海道の県庁所在地は「札幌」とかだね。

エピソード記憶

エピソード記憶は、過去のエピソード(出来事)の記憶です。

昨日は何を食べたとか、学生の頃はどんな勉強をしていたとか。

自然災害などの社会的出来事もそうです。

手続き記憶

手続きの記憶は、車の運転の仕方とかパソコンの使い方とか、体で覚える記憶です。

技能を身に着けることは手続き記憶を定着させることと言えます。

カリスマくん
カリスマくん

大工さんなら鉋掛けの技能は手続き記憶だね。

展望的記憶

一般的に記憶と言えば過去のことを覚えていることなんですが、展望的記憶は未来の記憶のことをいいます。

「一週間後に友人と会う」とか、「3カ月後に試験がある」とか、将来の予定や約束に関する記憶のことです。

知能の分類

結晶性知能と流動性知能の違いを理解しましょう。

カリスマくん
カリスマくん

レイモンド・キャッテルが提唱したやつだね。

結晶性知能

結晶性知能は、専門的な知識や料理などの日常の習慣、長年にわたる趣味に関する知識などのことです。

流動性知能

流動性知能は、新しい場面への適応に必要な能力のことです。

独創的なアイデアとか問題解決能力にもつながります。

結晶性知能と流動性知能の概念は超高齢社会の日本において重要です。

と言うのは、結晶性知能は過去の経験の積み重ねが土台となっているため加齢によって衰えにくい知能であり、流動性知能は加齢による低下が顕著に見られるという特徴があるからです。

認知症の方でも結晶性知能は保っているという例がよくあります。

加齢の影響

記憶や知能は加齢による影響を受けやすいモノと受けにくいモノがあります。

作動記憶やエピソード記憶は加齢による影響を顕著に受けますが、意味記憶や手続き記憶はあまり影響を受けません。

カリスマくん
カリスマくん

年を取ると、昨日食べた夕食というエピソード記憶は忘れやすくなるけど、長年培ってきた技能という手続き記憶は忘れにくいよね。

 
 

流動性知能は加齢により顕著に低下しますが、結晶性知能はほとんど低下しません。

加齢により低下しやすい 加齢により低下しにくい
作動記憶 意味記憶
エピソード記憶 手続き記憶
流動性知能 結晶性知能

過去問

第34回 問題73

記憶に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 エピソード記憶は、短期記憶に分類される。
2 意味記憶は、言葉の意味などに関する記憶である。
3 手続き記憶は、過去の出来事に関する記憶である。
4 エピソード記憶は、老化に影響されにくい。
5 意味記憶は、老化に影響されやすい。

1 エピソード記憶は、短期記憶に分類される。
誤りです。エピソード記憶は長期記憶に分類されます。

2 意味記憶は、言葉の意味などに関する記憶である。
これが正解です。

3 手続き記憶は、過去の出来事に関する記憶である。
誤りです。これはエピソード記憶です。

4 エピソード記憶は、老化に影響されにくい。
誤りです。エピソード記憶は加齢の影響を大きく受けます。

5 意味記憶は、老化に影響されやすい。
誤りです。意味記憶は加齢の影響を受けにくいです。

第35回 問題48

Mさん(88歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。夫と二人暮らしで、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに夫から、「最近、日中することがなく寝てしまい、夜眠れていないようだ」と相談を受けた。訪問介護員(ホームヘルパー)は、Mさんが長年していた裁縫を日中にしてみることを勧めた。早速、裁縫をしてみるとMさんは、短時間で雑巾を縫うことができた。
Mさんの裁縫についての記憶として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1  作業記憶
2  展望的記憶
3  短期記憶
4  陳述記憶
5  手続き記憶

選択肢5が正解です。裁縫などの技能に関する記憶は「手続き記憶」と呼ばれ、加齢による影響を受けにくくなっています。

社会福祉士 第31回 問題10

記憶に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 手続き記憶とは、覚えた数個の数字を逆唱するときに用いられる記憶である。
2 感覚記憶とは、自転車に乗ったり楽器を演奏したりするときの技能に関する記憶である。
3 展望的記憶とは、「いつ」、「どこで」、「何をしたか」というような、個人の経験に関する記憶である。
4 エピソード記憶とは、「明日の3時に友人と会う」というような、将来の予定や約束に関する記憶である。
5 意味記憶とは、「日本の都道府県の数は47である」というような、一般的な知識に関する記憶である。

1 手続き記憶とは、覚えた数個の数字を逆唱するときに用いられる記憶である。
間違いです。
覚えた数個の数字を逆唱するときに用いられるのは作動記憶(ワーキングメモリ)です。

2 感覚記憶とは、自転車に乗ったり楽器を演奏したりするときの技能に関する記憶である。
間違いです。
技能の記憶は手続き記憶です。

3 展望的記憶とは、「いつ」、「どこで」、「何をしたか」というような、個人の経験に関する記憶である。
展望的記憶とは未来の予定の記憶です。
個人の経験に関する記憶はエピソード記憶です。

4 エピソード記憶とは、「明日の3時に友人と会う」というような、将来の予定や約束に関する記憶である。
これは展望的記憶の例です。

5 意味記憶とは、「日本の都道府県の数は47である」というような、一般的な知識に関する記憶である。
これが正解です。

社会福祉士 第34回 問題9

1 日本で一番大きな湖は琵琶湖だと知っていた。
誤りです。これは意味記憶です。

2 以前行ったことがあるケーキ屋の場所を、思い出すことができた。
誤りです。これはエピソード記憶です。

3 子どもの頃に鉄棒から落ちてケガしたことを、思い出した。
誤りです。これはエピソード記憶の一種で自伝的記憶です。

4 10年ぶりに自転車に乗ったが、うまく乗ることができた。
誤りです。これは手続き記憶です。

5 友人と遊園地に行く約束をしていたので、朝から出掛けた。
これが正解、展望的記憶です。

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