道徳性の発達段階 by コールバーグ
ローレンス・コールバーグ(Kohlberg,L.)は、人間の道徳が、段階的に発達すると捉える「道徳性の発達理論」を提唱しています。
「道徳性の発達理論」では、人間の善悪の判断を3つのレベルと6つのステージに分けて捉えています。
ステージ1が最も低い発達段階、ステージ6が最も高い発達段階です。
水準 | ステージ | 名称 | 内容 |
---|---|---|---|
前慣習的水準 | ステージ1 | 罰と服従への志向性 | 他人から罰せられるかどうか |
ステージ2 | 報酬と取引への志向性 | 自分の利益が守られるかどうか | |
慣習的水準 | ステージ3 | 対人的同調への志向性 | 他人から好かれるかどうか |
ステージ4 | 法と秩序の志向性 | 与えられた規則に合っているかどうか | |
脱慣習的水準 | ステージ5 | 社会的契約の志向性 | 関係者と合理的に定められたルールかどうか |
ステージ6 | 普遍的な倫理的原理の志向性 | 普遍的な良心にもとづくかどうか |
過去問
- コールバーグ(Kohlberg, L.)による道徳性判断に関する次の記述のうち、最も高い発達の段階を示すものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1 権威に服従する。
2 罰を回避する。
3 多数意見を重視して判断する。
4 損得で判断する。
5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。
1 権威に服従する。
誤りです。これは前慣習的水準のステージ1「罰と服従への志向性」で、最も低い発達段階です。
2 罰を回避する。
誤りです。これは前慣習的水準のステージ1「罰と服従への志向性」で、最も低い発達段階です。
3 多数意見を重視して判断する。
誤りです。これは慣習的水準のステージ3「対人的同調への志向性」です。
4 損得で判断する。
誤りです。これは前慣習的水準のステージ2「報酬と取引への志向性」です。
5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。
これが正解。脱慣習的水準のステージ6「普遍的な倫理的原理の志向性」です。
公認心理師 第4回 問91
L.Kohlberg の道徳性の発達理論において、”近所のおばあさんはいつもお菓子をくれるから良い人である” という判断に該当する発達段階として、適切なものを1つ選べ。
① 法と秩序の志向性
② 社会的契約の志向性
③ 罰と服従への志向性
④ 対人的同調への志向性
⑤ 報酬と取引への志向性
これはステージ2「報酬と取引への志向性」なので選択肢⑤が正解です。
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