僕は介護業界に入って、「清拭」という言葉を初めて知りました。清拭ってなんでしょう。
清拭
清拭とは、病気やケガなどで入浴ができない人に、タオルなどで体を拭くことです。
清拭のポイントは以下の4点です。
・腹部は腸に沿って「の」の字を描くように拭く
・目の周りは目頭から目尻に向かって一方向に拭く
・女性の陰部洗浄では尿道口から洗い、最後に肛門部を洗う
洗濯
衣類の洗濯で、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)の使用について、注意点は以下の通りです。
・酸性洗剤と混ぜると有毒な塩素ガスが発生する
・ウールやカシミヤのような天然素材の白物漂白には、繊維を痛めるため使用できない
・色柄物の漂白に使用すると脱色してしまう
・希釈には熱湯ではなく常温の水を使用する(高温で分解してしまう)
・強アルカリ性のため直接皮膚に触れてはいけない
過去問
第33回 問題47
利用者の状態に応じた清潔の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 乾燥性皮膚疾患がある場合、弱アルカリ性の石鹸で洗う。
2 人工透析をしている場合、柔らかいタオルでからだを洗う。
3 褥瘡がある場合、石鹸をつけた指で褥瘡部をこすって洗う。
4 糖尿病性神経障害がある場合、足の指の間はナイロンたわしで洗う。
5 浮腫のある部位は、タオルを強く押し当てて洗う。
1 乾燥性皮膚疾患がある場合、弱アルカリ性の石鹸で洗う。
間違いです。乾燥肌に限らず石鹸は弱酸性が基本です。
2 人工透析をしている場合、柔らかいタオルでからだを洗う。
人工透析をしていると肌が乾燥しやすいので柔らかいタオルが良いです。
これが正解です。
3 褥瘡がある場合、石鹸をつけた指で褥瘡部をこすって洗う。
間違いです。褥瘡部位をこすって洗ってはいけません。
4 糖尿病性神経障害がある場合、足の指の間はナイロンたわしで洗う。
間違いです。糖尿病性神経障害は刺激に対する感覚が低下しているので、柔らかいスポンジなどでやさしく洗います。
5 浮腫のある部位は、タオルを強く押し当てて洗う。
間違いです。浮腫部位はやさしく洗います。
第31回 問題53
調理環境を清潔に保つための方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 布巾を使った後は、流水で洗う。
2 食器を洗ったスポンジは、軽く絞って洗剤の泡を残す。
3 魚や肉を切ったまな板の汚れは、熱湯で洗い流す。
4 金属製のスプーンの消毒は、塩素系漂白剤に1時間以上つけ置きする。
5 包丁は、刃と持ち手の境目の部分も洗浄して消毒する。
1 布巾を使った後は、流水で洗う。
洗剤を使って洗います。
2 食器を洗ったスポンジは、軽く絞って洗剤の泡を残す。
細菌の繁殖を防ぐため、よく乾燥させます。
3 魚や肉を切ったまな板の汚れは、熱湯で洗い流す。
使用後すぐに熱湯で洗うとたんぱく質が固まって汚れが落ちにくくなってしまいますので、まず流水で洗ってから。
4 金属製のスプーンの消毒は、塩素系漂白剤に1時間以上つけ置きする。
金属が腐食するおそれがありますので、煮沸消毒がよいです。
5 包丁は、刃と持ち手の境目の部分も洗浄して消毒する。
これが正解です。
第32回 問題48
清拭の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 目のまわりは目尻から目頭に向かって拭く。
2 背部は患側を下にして拭く。
3 腹部は臍部から恥骨部に向かって拭く。
4 両下肢は末梢から中枢に向かって拭く。
5 皮膚についた水分は最後にまとめて拭く。
1 目のまわりは目尻から目頭に向かって拭く。
間違いです。目頭から目尻に向かって拭きます。
2 背部は患側を下にして拭く。
間違いです。患側を背部にすると圧迫されて骨折などの危険があります。
3 腹部は臍部から恥骨部に向かって拭く。
臍部とは「へそ」です。右回りにマッサージするように拭きます。
4 両下肢は末梢から中枢に向かって拭く。
これが正解です。
5 皮膚についた水分は最後にまとめて拭く。
間違いです。皮膚に着いた水分はこまめに拭き取らないと体温低下などを招きます。
第35回 問題91
- 目の周囲の清拭の方法を図に示す。矢印は拭く方向を表している。
次のA~Eのうち、基本的な清拭の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 A
2 B
3 C- 4 D
- 5 E

選択肢1が正解です。目頭から目尻にかけて一方向に拭きます。
第35回 問題95
- 女性利用者のおむつ交換をするときに行う陰部洗浄の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1 湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。
2 おむつを交換するたびに、石鹸を使って洗う。- 3 タオルで汚れをこすり取るように洗う。
4 尿道口から洗い、最後に肛門部を洗う。- 5 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。
1 湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。
誤りです。手のひらは皮膚の層が厚いため温度確認には適していません。
2 おむつを交換するたびに、石鹸を使って洗う。
誤りです。頻繁に石鹸で洗うと、陰部への刺激が強くダメージを受けます。
3 タオルで汚れをこすり取るように洗う。
誤りです。タオルでこすり取るように洗うと、皮膚を傷つけてしまう危険があります。
4 尿道口から洗い、最後に肛門部を洗う。
これが正解です。
5 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。
誤りです。乾いたタオルで水分を拭き取ります。
第34回 問題37
- 耳の清潔に関する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 耳垢の状態を観察した。
2 綿棒を外耳道の入口から3cm程度挿入した。
3 耳介を上前方に軽く引きながら、耳垢を除去した。
4 蒸しタオルで耳垢塞栓を柔らかくして除去した。
5 耳かきを使用して、耳垢を毎日除去した。
選択肢1が正解です。
第34回 問題54
- 次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする衣類用漂白剤に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 全ての白物の漂白に使用できる。
2 色柄物の漂白に適している。- 3 熱湯で薄めて用いる。
4 手指の消毒に適している。
5 衣類の除菌効果がある。
1 全ての白物の漂白に使用できる。
誤りです。ウールやカシミヤのような天然素材には使用できません。
2 色柄物の漂白に適している。
誤りです。色柄物に使用すると脱色してしまいます。
3 熱湯で薄めて用いる。
誤りです。熱湯で薄めると高温で分解してしまいます。
4 手指の消毒に適している。
誤りです。強アルカリ性のため皮膚に触れると損傷します。
5 衣類の除菌効果がある。
これが正解です。
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次は、「口腔ケア」です。

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